「愛してる」がいえなかった。

「好き」も同じ

あまりに壮大で、おこがましくて発音できなかった。

簡単に言葉にしている人、
調子のいいフレーズは何ひとつ信用できなかった。

「君を幸せにするから」

って、私の幸せが何か知ってるの？
自分でもわからないのに。
（言われたことないけど…）

 

本当の私を知ったらみんな逃げていく、
ずっとそう思っていた。

結局最後は自分のことばかり。
私のことなんてどうでもいいくせに。
待ってる人がいるくせに。
帰る家があるじゃない。

 

すべてを疑った。

 

自分の意識次第で人生は変えられるのに、
生まれた環境で人生は決まっていると思っていた。

生まれた環境を不公平と思い、いらだちながら、
意味がわからなかった。

自分で人生を作り変えてもいい、
「私はどうしたいのか」なんて考えたこともなく発想すらしなかった。

愛でご飯は食べられないと本気で思っていた。
お金で幸せは買えると本気で思っていた。

 

家族のためにお金を稼ぐだけ。

母を助けるために。

もう逃げない

と決めた日

その日から少しずつ学び始めた気がする。

そう、すべては自分が自分に思っていたこと。

自分が嫌いで愛される価値のない人間だと思っていたのは私だった。